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Appleの水平分業・SONYの垂直分業
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     ポッドキャストで良く聞いている番組が、村田製作所一社提供のラジオ番組『サイエンス・サイトーク』です。毎回、科学を中心に各分野のユニークな研究や業績を上げている方をゲストに呼んで、日垣隆さんがホストとしてお話を聞くという番組。『「超」整理法』のベストセラーで知られる早稲田大学大学院教授の野口悠紀雄氏が、2月1日放送分の回で、SONYとAppleの構造的な問題を、分析されています。AppleはOS・ハード・アプリを一貫して製造しているのですが、どうも構造的には垂直分業ではなく、水平分業的なタイプのようです。そこら辺の考察が、いろいろと考えさせられますね。

    【野口悠紀雄さん(早稲田大学大学院教授、金融工学、日本経済論)】

    2009年1月25日放送…「超」整理法再び
    2009年2月01日放送…日本経済なにが本当の問題か

    金融工学や日本経済論の専門家であり、『「超」整理法』などのベストセラーで知られる野口悠紀雄さん。『「超」整理法』から15年。 まずは、野口さんの情報検索法や発想法についてあらためて聞いて行きます。 そして、2回目は、本当の意味の「金融工学」を始め、様々な角度から科学的に、日本経済の本質に迫ります。
     思うに、かつてのAppleはSONY的な垂直分業の権化だったと思います。独自規格にこだわり、互換性のない企画で消費者を囲い込もうとした部分があったんですが、スティーブ・ジョブズCEO復帰後は、野口氏が指摘するように、コンセプトを打ち出して、水平分業を推し進めたような気がしますね。もちろん、グランド・デザインはAppleがやるんですが、企画的には既に評価が定まった枯れた物を取り入れ、いろんなパーツメーカーの優れた物を組み合わせて、平凡なパーツを非凡なコンセプトでまとめ上げて非凡な製品に仕上げる、という感じ。

    単純に、パーツの外注と言うことならSONYもやってるんでしょうけれども、そういう意味での分業とは違う意味で、ここはとらえるべきでしょうね。そもそも、現在のMac自体が、UNIXやネクスト社の技術など、パーツパーツ自体は実は寄せ集めと言えば寄せ集め。iPod……というかiTunesにしても、必要とあらば会社ごと人材を買収して自社の自家薬籠中の物にしてしまう。そこのコンセプト自体が、MicrosoftのYahoo!買収騒動とは、微妙に違う気がしますね。Yahoo!を買収してGoogleに対抗できるのなら簡単な話です。ネット広告収益にシフトしようと周到に動くAdobeとは、やはりコンセプトの欠如を感じます。


     面白いのは、SONYが水平分布に踏み切れないのは、組織の中の力学の問題と。以前、栗本真一郎氏の著作で、集団だった猿はその集団が持つ猿の文化の束縛を受け、木の芽を食べるとか今までない文化を開拓して飢えをしのぐことが出来ずに全滅し、群れからはぐれた一匹ザルはそれまで口にしなかった人間の残飯などで飢えをしのいで冬を乗り切ったという事例があるそうです大東亜戦争に突入した日本軍も空気が支配し、アメリカと戦っても勝てないと思っていても口に出せずにズルズルと惨敗したのも、ちょっと似ていますかね。

    かつてのSONYには、βでVHSに負けたことを教訓として、8ミリやDVDの規格をいち早く研究し、そこで逆転勝ちしたのですが。それって、敗戦の中からもう一度日本は復興するという大志を持っていた井深大と盛田昭夫の精神でもあったわけですが、野口氏の分析が正しいのならば、現在のSONYはWALKMANという成功体験にとらわれて、会社の構造をガラッと変えられない組織、ということになります。それって、日本海海戦の歴史的な大勝利の成功体験にとらわれて、航空機の時代に大艦巨砲主義に邁進した大日本帝国と同じですね。歴史は繰り返す?


      Appleが、垂直分業的な構造を持ちながらも、水平分業的な構造を取り入れて融合したのは、真珠湾攻撃などで大艦巨砲主義から航空機の時代が来たことをいち早く見抜き、戦略を大転換したのに似ていますね。もちろんそこに至るには、ジョブズCEOもAppleの追放とネクストの経営的な失敗という高い勉強代を払い、AppleはAppleで倒産の危機を迎えて、変わらざるを得なかったんでしょうね。そこで死んでしまう企業と生き残る企業の差というのは、大転換を決断できるか。それが出来なかった徳川幕府や大本営は、滅びたんですが。

    今回のトークは、あくまでも経済と金融工学の話がメインです。今回のサブプライム・ローンの問題点と、日本がどう関わったかもきちんとわかりやすく説明してくれていますね。プラザ合意からのバブルの発生、そしてサブプライムまでが一直線に繋がりますね。ここら辺の、邪目理科の住宅ローンのムチャクチャな構造とバブルの発生に関しては、町山智浩さんの共著『オバマ・ショック』でも詳しく触れられていますが、けっきょく経済というのは競馬の予想よりも難しく、しかし因果律が働いていることは何となく分かりました。
    【2009.02.05 Thursday 07:00】 author : 土岐正造
    | 携帯電話・家電・カメラ | comments(0) | trackbacks(1) |
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      【2017.12.13 Wednesday 07:00】 author : スポンサードリンク
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      AdobeのRIA戦略
       エントリー【Appleの水平分業・SONYの垂直分業】でもちょっと書きましたが、Microsoftが台頭するGoogleに対抗しようとしてYahoo!を買収しようというのは安易ですが、AdobeがPhotoshopというキラーコンテンツとFlashなどの技術を行かして、ウェブベースに移行して収益
      | 平成鸚鵡籠中記 | 2009/02/05 9:57 PM |
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