2008.09.30 Tuesday
映画:蛇にピアス
今年132本目の映画(洋画49本・邦画66本・アジア映画5本・洋画アニメ3本・邦画アニメ9本)です。吉高由里子が激しい濡れ場を見せた作品と言うことで話題ですが、映画としては普通に面白かったです。ただ、芥川賞受賞作品と言うことで話題になった本作ですが、どうも近年の作品って、素材勝負な感じがあって好きになれません。芥川賞に限らず、80年代終わりからもてはやされる作品というのは、刑務所での体験であったり、黒人との性生活を赤裸々に描いたり、孤児院育ちのシンナー中毒だったりと、一般人と隔絶した体験という素材の特殊性ばかりが目立って、日常の中の狂気とか人間性の深奥とかを描いた作品は、どれほどあるのか。そういう素材主義は、漫画の世界にも悪影響を与えていますけどね。
※以下ネタバレがありますので、読み進める方は自己責任でお願いしますm(__)m
『蛇にピアス』
●見どころ
金原ひとみが、20歳で芥川賞を受賞した原作を映画化。“痛み”によってしか生を実感できない少女の青春を描く問題作。映画初主演の吉高由里子が体当たりの熱演を見せる。
●ストーリー
19歳のルイが、顔中にピアスをし、龍の刺青を背負う青年アマと出会う。自分とは違う世界に生きるアマと付き合い始めるルイだが、その一方でシバという、サディストで危険な彫り師とも関係を持つようになる。
※以下ネタバレがありますので、読み進める方は自己責任でお願いしますm(__)m
ただ、本作がそういう荒唐無稽なケータイ小説と一線を画しているのは、人間関係の希薄さとか、希薄なまま男と寝て入れ墨入れてピアシングやスプリットタンのような肉体改造までやってしまう無軌道ぶりを、ある程度引いて客観的に見る、ツッコミを入れる能力が作者にあるってことでしょうね。『恋空』のようなケータイ小説がダメダメなのは、意識した荒唐無稽ではなく、知性が足りないから偶然できてしまった荒唐無稽だから。狂言反抗をやらかして、矛盾点いっぱいですぐにばれて逮捕される犯人のようなもんですかね。
それはともかく。本作は、荒れた画面やハンディカメラで撮影された画面のぶれが、映画ではなくドキュメンタリーを撮ってるかのような演出が施されており、非日常でありながらそれをリアルに見せる手法が、随所に見られますね。蜷川幸雄監督の演出がさえていて、非日常が荒唐無稽になるのをグッと踏みとどまっている感じですかね。映画としては123分とやや長丁場なんですが、そんなに弛れることなく最後まで観られました。評価は分かれるでしょうけれども、個人的には好きな映画ですかね。舌ピアスとか、生理的嫌悪感は感じますが(笑)。




































